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2026年 年始第一弾企画、美術作家・岡 美里による絵画展 『私たちは非常にゆっくりと蒸発している』 開催のお知らせ
タイトルは「私たちは非常にゆっくりと蒸発している」。昨年、京都で開かれた回顧展を凝縮し、さらに新作を加えた構成となります。東京では2年ぶりとなる横顔ポートレイトのオーダー会も同時開催いたします。
岡 美里『私たちは非常にゆっくりと蒸発している』
2026年1月24日(土)~2月7日(土)
*月・火曜日休廊
13:00~18:00(最終日は17:00まで)
Statement
「友だちの横顔」が初めて発表された2005年。通りすがりの客から「自分の横顔も描いて」と声をかけられたことがきっかけとなり、その後依頼が続き、約2,000人を描く。
正面を向いたポートレイトよりも肩や背中のシルエットにその人らしさが表れるそうで、定期的に行われるオーダー・イベントを待ち望む声も多い。戦略やコンセプトのゆき過ぎたアート界のなかにおいて、こうした余白が効いた静かなポエジーが求められるのは必然かもしれない。
意味深なタイトルについて、岡はこう語る。
「絵であれ、小説であれ、作品には作家の人生観がかならず込められています。私はというと「人は水の入ったコップ」といったイメージにとらわれています。生まれた瞬間から死に向かって少しずつ存在が蒸発している、目に見えないほどゆっくりと。でもそれは決して怖いことはありません。日常の中にささやかな美を、道端で奇妙なかたちの石を見つけることができたなら。
だから、私は剥きかけの林檎や、積み重ねられたコップといった、国籍も階級もない生活の最小単位を描きます。人の横顔もありふれて、かつ日々刻々と変化してゆくもの。だからこそ一瞬一瞬が肝心だという思いを、作品に込めているわけです。極力シンプルな方法で。」
タブローには、ひとつひとつテキストがつく構成ということで、謎解きが楽しみである。
●横顔のポートレート・オーダーについて
・会期中、お好みの服やユニフォームでお越しください。
・写真撮影および短いインタビューをいたします。
・ポートレートは3ヶ月後にご自宅へお届けいたします。
■岡 美里(Misato Oka)
東京生まれ。女子美術大学 油画科卒業後、多摩美術大学版画研究室所属。その後、ソニーミュージックにてデザイナー及びPVディレクターを経験。美術作家に転向してからは、移動とコミュニケーションを心がけながら日本各所で展示活動を行う。旅、町観察の寄稿も多々。
https://www.instagram.com/misato_oka/
・Tumblr
https://www.tumblr.com/misatooka-works
・公式サイト
https://sites.google.com/view/misatooka/
SISON GALLERy Instagram: @sison_gallery
吉野マオ 「Bréssing」開催のお知らせ
Mao Yoshino “Bréssing”
2025.12.3 wed – 12.21 sun
13:00 - 18:00
*Closed on Mon & Tue
Closes at 17:00 on the last day
/ [ brésiŋ ]
/ Bréssing : breathe + bless + being
[ 日訳 ] 息・祝福
SISON GALLERYでは、上記日程にて画家・吉野マオ(Mao Yoshino)の新作展 「Bréssing」 を開催いたします。
吉野マオは、東京藝術大学卒業後、「祝福」をテーマに絵画作品を発表し続けています。また、デザインユニットでの活動や、COMME des GARÇONSをはじめとするブランドへの作品提供など、多方面で精力的に活動しています。
当ギャラリーでは本年1月の個展にて大きな反響を呼び、今後最も注目すべき作家のひとりとして位置付けています。
今展では、作家の持ち味である明るく前向きな花々をモチーフにした新作を中心に展示し、未来への思いが広がる空間を創出します。
ぜひこの機会にご高覧くださいませ。
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作家ステートメント
「私にとって”人との出会い・人と生きること”は生きる喜びであり、それを絵で表現することは人々の命を祝福することである。
[ 息(命)ー Breathe ][ 祝福 ー Blessing ]
このふたつの言葉が合わさり、タイトルになった。
このタイトルで言いたいようなことは、どの制作の根底にもある。
でも今回は、9月に沖縄に滞在したことでその気持ちがまた強くなった。
滞在中に初めてエイサーを見て、人々に必要なもの、自分がやるべきことは”これだ!"と再確認した。見た瞬間、先祖や地球の始まり(土)、今(枝)、そして未来(葉)が一本の光で繋がった感じがした。
今まで生きてきた人と、私たち、そして未来に生きる人が一本で繋がり、
命そのものが肯定される”愛”そのものにも見えた。
*
誰かのためだけに描いてきた小さな絵手紙から、
少しずつ、遠くへ、多くの人に届いていく絵画になった。“絵で宇宙を喜ばせたら、宇宙にいるすべての命が一緒に喜ぶ!”最近はそんなことを考えている。
もっと宇宙へ届く絵を、どうやったら描けるだろう。
でもそう遠くを見て描こうとした途端、うちにに引き戻される。
また小さな手紙を描いている自分に引き戻される。
遠くへ絵を描くことは、うちに入って自分の中にある”土”を見つめることでもあった。
私がエイサーでみた、1本の光の最初にある”土”の部分。
私は誰に愛され、誰を愛して、何を思ったか、どう生きたか。
今まで自分の軸にあった”手紙のような絵画”がより大切なものになった。
今回、特別な展示になる気がしているから
メインビジュアルは自分の色である”赤”をベースに描こうと決めた。
そうしたら自然に私と同じ”赤”で描きたくなる唯一の人が浮かんだ。
偶然その人は私が今一番描きたい人だった。
彼女からもらった愛、私が彼女を思う愛は、この絵に全て表れた。
そして見る人をも愛し、きっと一緒に命を祝福することができる。」
— 吉野マオ
Mao Yoshino @l_maoyoshino_l
1996年愛知県生まれ。2021年 東京藝術大学 工芸科陶芸研究室卒業。
抽象化された花や自然物をモチーフに、手紙のようなコミュニケーションを行う絵画を制作する。
幼少期より人に気持ちを伝えるために絵手紙を描いていたことが原点であり、現在はその対話を広げる形で絵画作品を展開している。
ファッションブランド、飲食店、公共施設などへ作品を提供しながら、絵による“対話”を社会に広げ続けている。
近年の主な個展:
2025「しま ぬ ひかり」CONTE, 沖縄
2025「LOVE COMES DANCING」CITY SHOP, 名古屋
2025「POST OFFICE」SISON GALLERy, 東京
2024 「Flower flame」 cont, 名古屋
2024 「tie knots°」 galerie P+EN, 名古屋
2024 「h•y•m•n」 下北沢アーツ, 東京
2023 「Hello Song」 Yamanote Line Museum 高田馬場, 東京
今泉敦子 Atsuko Imaizumi その草はらを抜けておいで 『Come through that meadow』開催のお知らせ
今泉敦子
Atsuko Imaizumi
その草はらを抜けておいで
『Come through that meadow』
11.15 Sat – 11.23 Sun
13:00~18:00
*Closed on Monday and Tuesday
*Closes at 17:00 on the lastday
旅が終わるとき、たどり着くのはどんなところなのか考えながら描いています。
静かで、豊かで、あらゆる縛りがほどけて、しみじみと染みわたるような心地よさに満ちた、そんな場所であることを願いながら。
でも、紙の上に表すには、わたしにとってその場所はまだあまりに漠としています。同時に、いまはまだ具体的にしたくない、おそらくもう少し続くであろう旅路をじっくり味わいながら歩くためにも、何か大きくて透明なもののままであってほしい、という気持ちもあります。
だから、その手前を描いています。
フィナーレへの道はこんなかな、あんなかな、こんなところを通っていけたらいいな――。
そんなことを思いながら、ゴールの門への序奏のような風景を探して描いています。
絵のなかにときどき登場する動物たちは、旅路の最終盤に待っていて、そこまでやってきた旅人をねぎらい、ゴールへといざなってくれる、あるいはいっしょに歩いてくれる案内人、というイメージですが、”旅”の意味するところも含めて、自由な解釈で観ていただけたらうれしいです。
濵端弘太 作品展開催のお知らせ
木の命の欠片を彫る──木工作家 濵端弘太 新作展
KOTA HAMABATA
10.25 Sat – 11.2 Sun 3:00~18:00
*Closed on Monday and Tuesday
*Closes at 17:00 on the last day
長崎の丘の上で、静かに木を彫り続ける作家、濱端弘太。
風と光の届く工房で、木と対話するように一つひとつ手で彫られ生まれるのは、器を中心とした木の作品たち。
「工房で木を彫っているとき。ふと、この一枚の板からこんなに削り屑が出たのか、と手元で彫っている木から放出された削り屑の量に驚くことがあります。
大きなものから小さなものまで、中にはとてもユニークな形をしているものもあって、とても活き活きとして見えます。
それらは完成した作品の身には残らない、捨てられていくものたちではありますが、その活き活きとした姿はまさに木の命の欠片であり、自分の制作の糧となって命を扱う、ひと彫りひと彫りの重さを確かに教えてくれます。
時々そうやって削り屑を手で掬って眺めていると、その度に美しいものを作りたいという感情が湧き上がってきます。
テーマ、メッセージとは少し違うかもしれませんが、木工作家として自分が用いる素材である木と、プロセスとして大部分を占めている、彫るという行為の関連性について書きました。
ほぼ毎日仕事をしていて、慣れ、というか何気なく彫っているときや制作に追われて忙しなく彫っているときもあるのですが、ふとした瞬間に新たな気付きや忘れてはいけないぞ、と釘をさされるようなことがあり、木を彫ることは学びであるな、とあらためて思いました。」
濵端弘太
1990年生まれ
2011年京都伝統工芸大学校木工専科卒
大阪市の槌工房にて木漆工芸家 藤嵜一正氏に師事。
2015年長崎県長崎市で制作活動を開始
木と漆を用いて盆、器などを主に制作
本展では、長崎の工房から届いた新作の木の器を中心に、日々の営みの中で磨かれてきた造形と手仕事の時間を感じていただけます。
この機会にぜひご高覧くださいませ。
ayanoguchiaya 12th 展示会開催のお知らせ
このたび、シソンギャラリーオーナーでもあるデザイナー野口アヤのブランドayanoguchiayaの新作展示会を上記日程にて開催いたします。
ブランド立ち上げ以来、ayanoguchiayaは、自らが運営するギャラリーを舞台にコレクションを発表し、様々なアーティストとの出会いを重ねてきました。
今展では、前回に続き二度目となる、アーティスト・吉野マオ氏とのコラボレーションを実現。彼女の絵画作品をテキスタイルへと映しとり、その世界を他のアイテムにも広げています。吉野氏は、今年シソンギャラリーで個展を開催予定の、注目すべき新進作家のひとりです。
気鋭のアーティストの展覧会と、自身の服づくりを響き合わせ、互いの作品の価値を高めながら、新しい視点での表現を試みています。
豊かに、鮮やかに広がる色と形。
この場所でしか出会えない、新鮮な驚きと感動をお届けできれば幸いです。
「ここちよくまじり合う色と線
描かれる言葉なき花々は
夢の途中の祝福をかなでている
記憶を行き来し
心の奥でくりかえす
再生
春のやわらか、夏のひかり、
秋のめぐりあい、
白につつまれる
終わりが終わるとき
始まりは始まっている」
*金曜日から日曜日はご予約なしでご覧いただけます。水曜日と木曜日はご予約をお願いいたします。
